16歳になる前夜の出来事。
当時カナダのモントリオールに高校留学をしていた僕は、
冬休みに入ったので飛行機で日本へ帰国する事にしました。
モントリオールから国内線でバンクーバーまで行き、
そこから国際線に乗り継ぎ帰国するというスケジュール。
国内線を降り、荷物を受け取るベルトコンベアの前で待つも一向に荷物が出て来ず、、、
調べてもらおうとカウンターのお姉さんの所まで行きました。
お姉さん「あ~。荷物はバンクーバー行きの機内にあるから大丈夫よ。」
邦「いや、その飛行機に乗ってきたのに荷物が出て来ないんです!」
お姉さん「そうよ、だってここはカルガリーだから!あなた降りちゃったの?」
邦「…ん?!」
実はその飛行機、カルガリー空港でトランジット(途中下車)を挟んでいたんです。

機内で爆睡していたため到着地のアナウンスを聞き逃し、
カルガリーで降りてしまったんです。。
しかもそれが最終便。。
カウンターのお姉さんに
「今晩は車で30分程のホテルに行くか、空港で野宿をしてください」と言われ
翌日のチケットを発行してもらい、後者を選択。
しかし、空港は営業が終了すると売店や構内出入口のシャッターは閉められ、
灯りが全て消され、非常灯のみになり、外にも出られず完全に独りに。。
ベンチに横になっているうちに寝入ってしまい、知らぬ間に誕生日を迎えていました。。
そして翌朝、まだ日も登らない頃、、
暗い廊下の奥の方からコツコツと足音が、、
そこに現れたのは、頭にターバンを巻き、手にモップを持ったアラブ系のおじさん。
「何をしているんだ?」と声をかけられた時には流石に挙動不振になりましたが、
事情を説明したところ、不敏に思ったのか手作りのサンドウィッチを半分分けてくれました。
頂いたサンドウィッチを食べている僕の横で黙々と掃除をしているおじさん。。
2人しかいない空港と夜が明けていく光景を未だにはっきりと覚えています。
カルガリー空港で迎えた16歳の誕生日の思い出話でした。
邦斗